GNSSとRTKとは?高精度測量のカギを握る技術解説

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GNSSとRTKとは?

GNSSとは何か?

GNSS(Global Navigation Satellite System)は、GPS、GLONASS、Galileo、北斗など複数の衛星測位システムの総称で、衛星からの電波を受信し位置を測定します。単独では数メートル単位の精度ですが、地理情報システム(GIS)や地図作成に広く利用されています。


RTK(Real Time Kinematic)とは?

RTK技術は、GNSS信号に対し「基準局」の補正情報をリアルタイムで送信し、誤差を除去することでセンチメートル級の精度を実現します。基準局と移動局を組み合わせ、通信リンクで補正情報を送ることで、従来のGNSS誤差を数センチ以内に低減します。


補正方式と仕組み

RTKでは、基準局が衛星信号との差を計算し、RTCMなどの補正データを移動局に送信します。移動局はこれをリアルタイムに反映し、固定(Fix)状態では±1〜2 cm、浮動(Float)でも数十センチの高精度測位が可能です。


GNSS vs RTK 精度の違い


RTKの適用分野


導入に必要な構成

RTK測量には、位置精度の高い“基準局”と“移動局”、それらをつなぐ通信手段(UHFや携帯回線)、そしてGNSS+RTK対応アンテナ/受信機が必要です。基準局と移動局の距離は数十キロメートル以内が理想で、遠くなるほど精度が低下します。


国際対応の進化:PPP-RTKも視野に

RTKのほか、PPP(Precise Point Positioning)やPPP‑RTKといった次世代補正方式も登場しており、基準局不要でグローバルに高精度測位を実現する研究開発が進んでいます。


まとめ

GNSSは広範囲な位置測位を可能にしますが、RTKを併用することでセンチメートル単位の高精度測量がリアルタイムで実現します。建設や測量、農業、ドローン測量など、様々な業界で欠かせない技術として重要性を増しています。今後はPPP‑RTKなど、より高度な方式も普及していくでしょう。

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