ROV(Remotely Operated Vehicle)は、船上または陸上から遠隔操作によって動作する無人潜水機です。ROVはケーブルで接続されており、搭載カメラやセンサー、マニピュレータ作業など、深海や濁水環境でもリアルタイムにデータを取得・記録できます。
当社では、小型ROV(遠隔操作無人潜水機)を活用し、高精度な海中調査や構造物点検を行っています。以下に当社が提供する主な活用事例をご紹介します。
当社の海底マッピングシステム「SSS‑100(Speedy Sea Scanner)」は、4連の高解像度光学カメラを搭載したROVで、水深100mまでの海底を撮影し、高精細なオルソ画像や3Dモデルを生成します。東京大学との共同開発により完成したSSSの後継モデルとなり当社独自機種となります。
詳細はこちら:海底マッピングシステム[SSS-100]
小型のROVに金属探知機を搭載し、海底に埋設されたケーブルの正確な位置(平面・深度)を特定します。独自開発の解析ソフト「MetalScope」と組み合わせ、リアルタイムな調査・可視化が可能です。
詳細はこちら:海底ケーブルトラッキングシステム
濁った海域や夜間など通常のカメラでは対応できないことがありますが、当社はROVに濁水環境対応型水中カメラや音響イメージングソナーを搭載し、港湾構造物や沈没遺物の可視化を可能にしています。
詳細はこちら:音響イメージングソナー/濁水環境用水中カメラ
ROVを活用して、海底に眠る戦争遺跡「海龍」や文化財(伊豆沖に沈んだ江戸幕府の鬼瓦など)を撮影し、フォトグラメトリによって3Dモデルを作成。Unreal Engine上でVR化し、文化庁への技術紹介も行いました。
調査事例:「海龍」調査事例
このようにROVは、インフラ点検から海底ケーブル調査、文化財保全まで、ウインディーネットワークの幅広い海洋調査業務に欠かせないツールとして活用されています。
ROVは、深海や複雑な水中環境で人に代わる“目と手”となる存在です。作業の安全性・効率性が高く、調査・研究・救助・インフラ維持など多様な分野で不可欠な技術となっています。ウインディーネットワークは、こうした高性能ROVを活用し、水中調査の高度化を常に目指しています。