
文化財のデジタル保存:過去を未来へつなぐ技術
デジタル技術による文化遺産の保存と活用
物理的な劣化から文化財を守る
文化財のデジタル保存とは、歴史的・文化的価値を持つ建造物や遺物をデジタル技術で記録・保存し、後世に伝える取り組みです。
3Dスキャンやフォトグラメトリ、VR(仮想現実)といった技術を活用することで、物理的な劣化や災害による損失から文化財を守り、教育や研究、観光など多方面での活用が可能となります。
当社の取り組み:水中文化財のデジタル保存
最先端技術を活用した水中調査
ウインディーネットワークでは、海底や湖底に眠る歴史的・文化的価値のある遺物や構造物を最新技術で調査し、記録して可視化する「水中文化財調査」を行っています。
3D点群モデル化や3D深浅測量、水中映像撮影などを活用し、文化財のデジタル保存と公開を実現しています。
さらにフォトグラメトリやゲームエンジン(Unreal Engine)によるVR再現にも取り組み、誰でも過去の歴史を学び体感できるデジタルツインの構築を進めています。
デジタルツイン1:三葉葵が刻まれた鬼瓦
伊豆東方沖の海底で徳川幕府の象徴である三葉葵の紋章が刻まれた瓦が発見されました。
良好な保存状態を保つ沈没船遺跡として歴史的にも重要な遺構の一つです。
当社では3Dスキャンや水中撮影を通じて、この鬼瓦の詳細なデジタル記録を作成し、保存・公開しています。
VRで巡る水中遺跡

伊豆東方沖の水中遺跡をゲームエンジンで再現
デジタルツイン2:戦争遺跡「特攻潜水艇 海龍」
2015年、当社が行った静岡県下田市須崎沖の海底調査により旧日本海軍の特攻潜水艇「海龍」を発見しました。
海龍は体当たり攻撃を前提として開発された特攻兵器であり、歴史的価値を持つ戦争遺産です。
当社では3D点群データやVR技術を用いて海龍の詳細なデジタルモデルを作成し、保存・公開しています。
VRで巡る戦争遺跡

特攻潜水艇「海龍」をゲームエンジンで再現
デジタル保存の意義と未来
誰もがアクセスできる文化遺産へ
デジタル保存は文化遺産を物理的な制約から解放し、誰もがアクセスできる形で保存・活用することを可能にします。
災害や経年劣化による損失を防ぐだけでなく、教育や観光、研究など多方面での活用が期待されます。
ウインディーネットワークは今後も最新技術を駆使し、文化遺産のデジタル保存と活用に貢献してまいります。
日本文化財科学会第42回大会に出展間近
当社は2025年7月5日(土)・6日(日)に開催される「日本文化財科学会第42回大会」に出展いたします。 企業セミナーでは「海底に沈む文化財をデジタルツインで実現」と題し、海底地形の測量技術・フォトグラメトリ技術・ゲームエンジン(Unreal Engine)を組み合わせによって、リアルに再現された水中文化財について紹介いたします。
詳細はこちらから:日本文化財科学会 出展・企業セミナーに参加
水中文化財調査