
令和7年度 静岡県・焼津市・藤枝市総合防災訓練に参加
2025年10月19日(日)、当社は焼津市で実施された「令和7年度 静岡県・焼津市・藤枝市総合防災訓練」に参加し、焼津港を主会場とした航路啓開訓練においてデジタル測量と現地支援を行いました。訓練は午前8時から市内14か所・26の訓練を実施する大規模なもので、県・市両者が主催する総合訓練の一環として実施されました。
ウインディーネットワークが担った技術的役割
当社は焼津港で想定された「津波により港内へ家屋や漂流物が流入した」事案を踏まえ、航路啓開の実務に直結するデジタル測量支援を提供しました。具体的にはマルチビーム測深による海底地形取得、ドローン搭載のレーザー測量(グリーンレーザー)による消波ブロック等の陸上構造物の計測、そして海底・陸上データを統合した3次元点群データの作成と訓練当日の利活用支援を行いました。これらのデータは「平時に取得した基準データ」として保存し、災害発生後の再測量と比較することで堆積土砂量や障害物の位置を素早く特定することを目的としています。
訓練の想定と現場の流れ
焼津会場では南海トラフ巨大地震など大規模地震と津波を想定したシナリオを用い、港内に漂着物や土砂が流入した状況での航路啓開や救援活動の円滑化を目指しました。自治体、港湾管理者、民間事業者(当社を含む)が連携し、測量結果の迅速な共有とそれに基づく航路確保の意思決定支援が行われました。

焼津港(海底地形・段差・構造物)
3次元点群データで可視化

3次元点群データで航行ルートを迅速に判断
訓練で得られた成果と今後の活用
今回の訓練では、事前に取得・整備していた「平常時データ」とその運用ワークフローを用い、津波発生時のシミュレーションを実施しました。事前に取得した高精度データを参照することで、堆積物や漂流物の位置を短時間で把握し、支援船舶や救援チームの安全な航行ルートの設定を想定通りに行うことが可能となります。また、自治体との協定に基づき、この技術やデータは平時の港湾管理(維持管理や計画)にも活用される予定です。
自治体・関係機関との連携
この訓練は静岡県と焼津市、藤枝市が合同で実施するもので、港湾管理者、消防、海上保安機関、自治体の職員など多くの組織が連携しました。当社は焼津市と締結している災害支援協定に基づき技術提供を行い、訓練を通じて協定の実効性と現場運用の検証を進めました。
今回の訓練で得たノウハウをもとに、他自治体への展開や遠隔からの状況把握を支援する仕組み作りを進めていきます。
「メディア紹介」
静岡第一テレビ【南海トラフ巨大地震想定し 県総合防災訓練 藤枝市と焼津市をメイン会場に展開される(静岡)】
静岡新聞【「静岡県総合防災訓練」津波で焼津漁港に家屋が流れ込んだら…海自艦の航路確保 デジタル測量で「発災時の物資受け入れ」スムーズに】
総合防災ソリューション